2012年1月9日月曜日

2012 年初のご挨拶


あけましておめでとうございます

ブログの書き込みがなんと月に一回・・・?
今年は何とか週一回を目的に頑張るつもりですが、無理かな??。
本年も音楽ライフ、オーディオライフを楽しくお楽しみ下さい。

さて、昨年末か今年の年初か忘れましたが?・・、TVで蒸気機関車を話題にした番組が
数多く放映されていました。
なんと懐かしい!、私がレコード会社に入社したのも、蒸気機関車が好きで好きで
たまらなく好きで、何時かは必ず蒸気機関車の録音をするぞ・・!。
と言う強い気持ちでプロの世界へ進んだのです。

当時、録音の世界は、徒弟制度が本流の考えで、職人を育て上げる為には
実働時間や個人の予定などは、まったく無視した無謀なスケジュールをこなす世界でした。
つまりプロになるための当たり前の時間なのです。
でも一生懸命努力をすればするだけの評価は頂ける世界でもありました。

音楽を録音しながら、自分なりの個性有る音を作り上げ、それが聴いて頂くお客様の趣向に
マッチするようになれば最高!と言う雰囲気でした。
何年かかったか忘れましたが、職人になるための努力は毎日続け、私はそれなりの
評価をいただきました。

次にやりたい?仕事は!そうです蒸気機関車の音を録音したい


蒸気機関車の録音を記録物とより趣味的に扱った録音方法はどうだろう・・。
(残念ながらブログの写真は現在の写真だが)
目の前をあのドラフト音が通過したら趣味の音としても、お客様に聴いて頂けるだろうか?。
オーディオファンはどのように聴いてくれるのだろうか?
色々考えながら日本全国のSLを収録させて頂いた。

当時はコンピューターもない時代でしたから、
録音依頼は日本国有鉄道本社に出向き、先ずは録音のための協力依頼から、
実際のスケジュール等の打ち合わせを行い、取材許可をいただき、現地に向かい、もちろん現地の鉄道管理局での打ち合わせでは場所、時間、取材クルーの人数等々を申告し
許可をいただき、その後、取材場所に移動・・。
このやり方を毎回行い、当局との信頼関係を作り上げたのです。

当時の国鉄職員は国鉄一家?

日本全国録音の旅を行いましたが現場では色々な楽しい思い出を作らせて頂きました。
これから思い出話として何回かに分けてお話ししようと思いますが、
今回はちょっと特殊な思い出からお話ししようと思います。

それは九州への取材時の出来事でした。
いつも通り、まずは門司鉄道管理局へのご挨拶からスタートだ。
当方のスケジュールとしては朝一番のJALで(羽田 07:20発)福岡行きをブッキングし
福岡空港到着後、博多駅から門司港駅にもどるつもりでした。
ところが出発前日、国鉄本社から連絡があり
出来たら門司鉄道管理局としては朝09:00から打ち合わせをスタートしたいとの事
JAL便では打ち合わせ時間に間に合わない、
急遽打ち合わせ前日の夜行寝台特急“はやぶさ”で、九州に向け出発。
早朝門司港駅に到着、駅前の食堂で朝ご飯を食べて時間がありすぎるのでTVを見ていると、

なんと臨時ニュース!!

羽田発福岡行きのJAL便(よど号)がハイジャックされたとの第一報!。
もしかしたら我々も乗っていたJAL便だ。
運がよいと言えば良いのだが、何でもチャレンジの行方洋一
ニュースを見ながら考えた。
もしかして今回のスケジュール、変更なしにスタートしていたら我々はよど号に乗っていた。
マイクもテープレコーダーも持っている、
怖いけどスクープサウンドを録音できたのではないだろうか・・・。

何を考えているのだろうか、若い頃の考えはそれなりに素晴らしい。

その後、録音場所を移動するため列車に乗り込むと、
我々のヘルメットに取材中と書いてあったのを一般の方が見て、よど号どうなりました・・?、
と質問攻め。
それはそれは不思議なSL取材の旅になりました。
こんなときは嘘をつかず本当は蒸気機関車の取材をしているのです
だから事件のことは知りません。
と、お答えしたのはゆうまでもありません・・・・・?。





2011年12月5日月曜日

若者との出会い

昨日(12月3日)、お茶の水で オーディオユニオン 主催のPCオーディオコンサートに参加させて頂いた。
今回は第一部で  若手評論家の岩井 喬氏が往年のロックサウンドの名作の数々を、現在の技術でリメイクしたサウンドを解説をしながらのコンサートになった。

第二部は私のいつもながらの何が飛び出すかわからない、とりとめのないコンサートに相成った。
ただ、今回は最後のコーナーで真面目に、私のブログでもご紹介した神戸ジャズの実況録音の現場で作られた,マディ信号を試聴素材として使い、現状のライブレコーディング現場の音をまずは体験して頂き、録音現場の雰囲気を味わっていただきました。
次にその素材音楽を、マルチトラック化したミキサーでミックスダウン作業のときの音つくりイメージを体験して頂き、普段では滅多に聴くことの出来ないサウンドの世界を体験して頂いた。つまりトラックダウンミックス作業でソロ楽器レベルやエレキベースの音作り等、細かくイコライザー、コンプレッサー、リヴァーブ等を操作し、ミックスダウン時に聴いているサウンドを体験して頂き、次にミックスダウンされた2chステレオサウンドを、次のステップのマスターリング作業でサウンドイメージがどう変わって行くのか・・、そんな現在の現場サウンドを元音源から、最終音源までを体験して頂いたわけだ。
リスナーの方々はマスターリングされた音だけを、いつもは聴いて頂いているいただいてる訳だが、今回はその前の素材音源も同じ曲で聴いて頂いたわけだ。
さて、ミックスダウン、そしてマスターリングサウンドを聴いて頂き、今回のイベントはお開きと言うことになったわけだが、来場して頂いた若者から個人的に、今のお話しに興味が有るので、コンプレッサー、イコライザーなどは、どの楽器にどの程度つなげているのか、教えてほしいとのリクエストがあり、会場の都合でスピーカーや大型の機材を片付けている間に私のコンピューターだけを電源が落ちないようにケアーをしながら若者にデーターを見て頂きました。
この楽器はコンプを入れ、この楽器はコンプ、イコライザーの順に入れています、とか楽器によってコンプの動作状態はこの程度・・、リヴァーブはここで強くかけてます等々、ミキサーの画面をお見せしなから説明し納得して頂きました。
私は、この若者に興味?を持ち、今日はどちらからいらっしゃいました?と聞いてみました。
なんと、嬉しいことに昨日の夜行バスで大阪から来ました ! とのこと、このイベントのために?と聞き直すと、そうです、との答え、今後はプロとしてやっていくのかどうかは聴きませんでしたが、音楽録音に対しての思い入れは相当なものだと言うことをガツン!!と感じ取りました。
今日はどうするの?と聞きましたら、これから夜行バスで大阪に帰ります。との答え、頑張って!
日本の音楽文化に貢献する次世代の若者と逢えたと感じる出会いでした。
別れ際におじさんに何か聴きたいことがあったらこのメールアドレスにメール下さい、知っていることは何でもお教えしますから・・・。
すがすがしい若者でした。次世代の音楽録音世界もこのような若者に支えられ発展していくのではと、感じずにいられない出来事ですた。

2011年11月23日水曜日

幕張メッセのinterBEEに参加

先週は幕張通いを行いました。幕張メッセで行われた interBEE (放送機器展) に、シンタックスジャパン社が出展、そのブースでは先日私が録音した、神戸JAZZでの50trackマディ信号のオリジナルサウンドを来場されたプロのエンジニアーの方々に聴いていただき、その隣のPCで、そのマディ信号を、私なりにミックスダウンした音源を再生し、マルチトラック録音の現状サウンドを体験して頂きました。
残念ながら、会場ではスピーカーでガンガン鳴らす訳にはいかず、ヘッドフォンでの試聴になりましたが、初期の目的は達成したイメージです。
 写真は神戸JAZZ当日の中継室の状況ですが、ご覧のように機材は非常に少なくマディシステムの優位性はこの一枚の写真でお解りいただけるとおもいます。
当日はこの機材でマディ信号の録音をはじめ、FM放送用音源、ユーストリーム中継放送の音源までを担当させられました。
2CHのステレオ音源はマディ信号を、スタインバーグ社のNuendo5でマルチトラック化し、モニターミックスミキサーでバランスを取りオンエアーサウンドを作り上げました。
久しぶりの2CH同時録音、バランス作りは疲れましたが、むかしの2CHダイレクト録音を思い出し、まだまだ腕は落ちていないぞ・・、と自負させて頂きました。
神戸JAZZ当日のシステムは、シンタックスジャパンのホームページで紹介されておりますので、そちらの方をご覧になって下さい。
今回のシステムアップには、シンタックスジャパン、ヒビノ音響、TOA、ジーベック、スタインバーグ社のご協力によって作り上げられました、ご協力有り難うございました。
何はともあれ、新しいライヴ録音の現状をご紹介できましたので嬉しい限りです。

2011年11月2日水曜日

神戸Jazz やっとMix終了

今回の神戸Jazzは最新の機材を使っての、マルチレコーディング方式で録音をスタートさせました。昨年の神戸Jazzの録音時の体験を活かし、今年は完璧なシステムを構築しました。
PA用のデジタル卓をヒビノ音響(日比野会長)さんに我が儘をお願いし、DiGiCoシステム使わせて頂きました。もちろんPAオペレートは現役バリバリの方にお任せし、私の方はそのデジコ卓のタワーからMADI信号を、1本の同軸でいただいてくる。メインPA卓、ミュージシャン用PA信号もこのタワーからのパラ分けである。数十年前に規格化されたMADI規格、現在このように利用されている事を考えると素晴らしい規格だったんだな・・、と考えさせらました。このMADI 出力を(なんと同軸ケーブル1本で48チャンネルオーディオ出力)中継室に引き込みRMEのMicstacyに入れ、PAでは必要じゃないオーディエンスマイクを2本プラスし計50chでの録音になりました。
本番当日は私の50本のマイクミックスのアウトにFM、Ustream、がぶら下がるため、MADI信号をスタインバーグのNuendoに入れ込みモニターミックスでぶら下がり各社に音楽を提供してあげました。Ustreamを見てくれたユーザーさんからは音良かったよ ! 。と激励。久しぶりのダイレクトサウンドの送り出しで疲れましたが心地よい疲労感で終了しました。
東京に帰りNuendoでEQ、COMP、等々エフェクトを加えトラックダウンを行い、完成したマスター
音源をWaveLab-7に立ち上げマスターリングを行い3週間をついやした神戸Jazz '11のマスターサウンドが完成です。

2011年9月27日火曜日

今週末の神戸Jazzまでちょっと一息


先週はオーディオ雑誌とミュージシャンのコラボレーション企画で2曲の録音をすることになった。 アコーステッテク楽器の録音にはちょっとデッドなスタジオで、楽器本来の響きが少なくちょっと不満だったが、無事録音は終了した。 さて、録音する曲は2曲だったが録音後の処理が大変だった。 オーディオ雑誌からのリクエストはマスターのサンプリングレートを3種類、つまり44.1khz24bit 96khz24bit 192khz24bit を作ってほしいと・・・、と言うリクエスト。
もちろん現在の録音方式だと、コンピュータの処理方法によって、なんとでも出来る。しかし、なぜ192khz24bitがリクエストに入っているのだろう。
192khzサンプルは確かに凄い、でも音楽愛好家からすると、どのような判定になるのだろうか、ややもすると、
ちょっと失礼だが音楽を再生する上で、音の良し悪しが解らないハードメーカーの開発者さんが考える、数値の良いものはきっと良い音だろう・・・・・・、的な理論で生まれたフォーマットではないのだろうか、そのあたりがちょっと私は気になる点だ。

私なりの感覚で(50年近く音楽作りの現場にいた人間からすると)考えるに、サンプリング192khz24bit化は現在のPCの性能を考えるとオーバークオリティではないのかとさえ思えるからだ。
スペックで音楽を楽しむ方法も確かにある、逆に今回の音源で96khz24bitと192khz24bitの音の変化を重箱の隅をほじくる聴き方もひとつある、ぜひ体験してほしいものだ。

現在のPC音楽制作用、プラグインソフトの現状を見ると192khz24bit対応がどの程度有るのだろう、
今後が楽しみでもありオーバークオリティに踊らされる音楽の聴き方になってしまうかの、分かれ道の状況だと考えている。
おっさんの意見は3種類のサンプリング周波数を選ぶのであれば、96khz24bit. 48khz24bit. 44.1khz24bitの3種類の方が“現実的”で面白く聴けるのではないだろうか・・。


勝手なコメントになってしまったが、新し事にトライするのが大好きなおっちゃんの、本音の気持ちなのである。

何はともあれ、今回の録音はどえらい緊張感のあるプレッシャーのかかる現場だった。
翌日、内部処理32bitのソフトを使い、マルチトラック音源を2チャンネルにミックスダウン、そしてマスターリングを行い納品と言うことになった。

この音源に興味のある方は音元出版から発売される Net Audio 誌で入手可能である。
発売予定は10月中旬とのこと・・・。
ご紹介した写真はギター : 堀 聡 さん、ドラム : Jose Colon さんです。
皆さんお疲れさんでした。


いよいよ今週末神戸JAZZ本番です、もちろん私も神戸出張です。今年もマディ方式を最大限利用し、お気に入りのサウンドを録音しようと考えています。
ちなみに今年の参加バンドは、13組で各バンド2曲ずつを演奏します。
これだけでも大変です。第2部ではプロのバンド演奏があります。
関西エリアにお住まいの方、興味が有れば是非会場に足を運んでくだされば嬉しいのですが・・・。
ちなみに今年はインターネットを利用した中継も考えているようです、期待してください。

2011年9月12日月曜日

忙しすぎるおじさんのひとり言

忙しいスケジュールをギンギンに、こなしていると色々な事が気になり出したりする・・。 おじさんだけの悩みかも知らないけれど、精神的なプレッシャーが、これでよいのか・・?、 と問いかけてくるイメージだ。 今、自分のやっている方法は間違っていないだろうか・・。非常に不安になるのである。 先日の、オーディオテクニカ アストロスタジオで行ったマイクセミナーでも、その不安が少々だが感じられた。 ミキサーを目指す若者達(私より若い方々)に、短い時間(約15分~30分)でアシスタントなしでマイクのセレクトからセッティングそして生演奏までを録音してもらい、 今までに自分の仕事時に、スタジオで体験したノウハウや、習得したミキシングテクニックを駆使し、音楽作品を、参加している全員の前で、素早く仕上げる ! 。 若手のエンジニアーにとってはどえらいプレッシャーのかかる体験が出来るイベントだと考えられる。 我々おじさんは、長い録音体験の中で(パイロットの滞空時間何万時間と同等の、長い滞録時間の長さで)生まれた、自分流のノウハウを持っているのでまったく心配なく作業をすることが出来る。 苦労している若者達に、長い滞録時間で生まれたおじさんのノウハウを手取り足取りで教えるのは簡単だ、しかし、 それではおじさんのノウハウを、物まね風で覚えた、地に足が着いてない状況の、小さな職人ミキサーの誕生である。 おじさんの一回り小さい、ノウハウを操るポリシーのないコピーエンジニアーになってしまうからだ。 日本の伝統技術を伝える、宮大工さんしかり、身近のところでは寿司職人に至るまで、親方のやっているノウハウを盗み見て覚えていく 匠 の世界を録音現場に作るためには、それなりに教える方も覚悟が必要になってくる、つまりおじさんにとっては我慢が重要なポイントになるのである。 もちろん全員の録音終了後には全員の作品をプレイバックし、その時におじさん流のコメント、そしてノウハウを語ってあげることにより、次回の録音時に役に立つように会話をすすめる。 そんなアドバイスが次回の録音時には、きっと役に立つだろうし、頭の引き出しのひとつにノウハウを収容出来るのではと考えるからだ。 しかし、一日2回のイベントで約20名の若者の録音を、我慢我慢でお付き合いをしていく、こんなに辛い仕事は久しぶりである。 当日ボサノバの弾き語りをしてくれた 犬塚 彩子 さんのパワーには驚かされた、 つまり一日45分2ステージがスタンダードだとしたら、今回は20ステージ以上をこなしたと(条件はもっと悪い、ひとりの若者エンジニアーには同じ曲で・・。と言う条件も付いて)同等の仕事量である。 いやはや恐れ入りました。

おじさんのひとり言、拡声器付きのひとり言になってしまったが、イベント無事終了となりました。

2011年9月9日金曜日

新しい感覚のケーキ?屋さん 浅草に登場

忙しい!スケジュールに追われるのが大嫌いなおじさんがフル稼働です。
先日、浅草の寿町に私の友人が参加する、新しい感覚でスイーツを自家製造するケーキ屋?さんがオープンしました。
大酒飲みのおじさんなのに何で?と疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。 私は確かに大酒飲みですが、職人さんの長年の経験から生まれた 匠 作品は大好きです。 このケーキ屋さんのオープンに向け、私が参加しをきめたのは、店に新しい感覚の音楽を提供するにはどんなノウハウを利用すればよりケーキ?が魅力アップできるか・・・。 音響心理とリアルな視覚をバランス良くすることによって、お客さんが気持ち良く好物のスイーツを選ぶことが出来る店・・。 そんな素敵な、お店環境を作ることにより新しい何かを感じ取って頂けるのでは、と参加を決めました。 もちろんお店に流れる音楽は厨房にも流され、匠のものつくりを裏の裏からバックアップしています。
是非お近くにいらっしゃった時にはのぞいてやってください。
お店の名前はC*LAB PROJECT tel : 03-6802-7425 です。